現在、東京都美術館で開催されている「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」展
子ども達の多くも上野まで展覧会を見に行ったようです。
オランダの画家、フィンセント・ファン・ゴッホVincent Willem van Gogh(1853-1890)
は日本で最も愛されている画家のうちの一人で、
多くの人が有名な「ひまわり」や「自画像」を目にしたことがあるでしょう。
その中から私たちはゴッホの描いた作品の中から「橋」にフォーカスして
パンフレットや画集、展覧会に行った感想など聞きながら
ゴッホ自身が影響を受けた歌川広重の浮世絵も鑑賞し、
「橋のある風景」をイメージして空想画や自分の理想郷イメージに
描くことにしました。
ゴッホは南フランスのアルルに移り住んでから、「ヴィゲラ運河のグレース橋」
「アルルの跳ね橋」など繰り返し繰り返し橋のある風景を描きました。
そこには、日本の浮世絵に見た景色を思い浮かべ、歌川広重などが描いた
平坦な色彩や大胆な構図、素朴な市民の日常の生活の姿を映し出した姿に
「楽園」を見て理想化し、まだ見ぬ日本に憧憬を募らせていきました
さて、皆さんにとって、まだ見たことのない「理想の情景」はどんな場所でしょうか。
また「橋のある風景」を思い浮かべたとき、何がそこにあるのでしょうか。
「機関車を思い浮かべたの」
真っ赤な鉄橋がかかる美しい紅葉の中を機関車が走る抜ける光景を描きました
「自転車に乗って夕陽の中を家に帰るところだよ」
大きな大きな川にかかる橋を自転車を一生懸命にこぎながら
渡っていく姿がイメージできますね
大胆な構図で地球の丸いことも良く分かります
こちらは近くを流れる墨田川
「色々な種類の魚や海鳥が住んでいて、川遊びができたらたのしそうだな」
と思いながら描きました
こちらはモノレールが山を行き来できる橋
「夜になるとライトが輝いてエレベーターで高い場所まで行けるんだ」
「田舎の田んぼや畑の中にある橋を描きたいな」
「いろんな遊び方ができる橋!」
大好きな猫ちゃんたちが画面いっぱいに様々な姿で遊んでいる姿が描かれています
「ハートの橋は、悪い人が通ると真ん中が割れて落ちて鮫に食べられちゃうんだよ」
怖~い橋ですが、ユーモラスなお魚たちが住んでいる橋です
松の木の下に架かる日本風の真っ赤な太鼓橋が正面から見た印象的な橋です
「プレゼントをたくさん積んだサンタが木の橋を越えて山を越え、
家まで届けに来てくれるよ」
淡い色彩でロマンチックな情景が描かれました
今まさに橋を越えていこうとする姿はご自分でしょうか?
橋の向こうを渡るとどんな風景が広がっていくのでしょう
ファン・ゴッホにとって日本人は自然に調和し、お互いが助け合って生きている思慮深い人々として
理想化されていったようです。
そして自分自身が深い思想の中でどのように芸術を追求していくか
日々悩み、精神の病にもがき苦しみながらその生涯を閉じました
その悲劇的で美しい理想郷を求めたロマンチックなゴッホの芸術家としての生き方
そのものに、私たちはかつての日本人のような素朴で純粋な心
そのものであるような気がして心惹かれるのでしょうか。
自分の思い描く風景をイメージしながら描き切った皆さんに講師一同、大変心温まりました
「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」
東京都美術館
東京展は来年2018年1月8日まで
gogh-japan.jp/
その後京都に巡回し、最後にオランダ・アムステルダムのゴッホ美術館に巡回します
Y.N